好きだなんて言わなければよかった【完】
*そして
──…
「急がなきゃ」
公園を後にした私は真生くんの家に向かって走り出していた。
幼稚園の時の私、5年前の私が伝えられなかった本当の気持ちを、今の私が伝えなきゃ。
あ、真生くん…家にいるといいけど…。
そう考えた瞬間、
私の肩を、誰かが優しく掴んだ。
「…紗綾」
「え、真生くん…?」
驚いて後ろを振り返る私の腕を軽く引っ張り、そのままギュッと自分の腕の中に私の体をおさめる。
「え!?ちょっと…」
あまりに突然の出来事に頭がついていかない私。
すると、
「…ごめん。傷つけて…」