好きだなんて言わなければよかった【完】
私のその言葉に、一瞬、目を見開いた真生くん。
しかし、次の瞬間には、
見たことないくらい柔らかな優しい表情で私に笑いかけてくれた。
その時、
…伝えるらなら今しかない
そう思った。
「…真生くん」
「…ん?」
「私、真生くんが好き」
「……」
なぜか、微妙な空気が私と真生くんの間に流れる。
あれ…?
すると、
「…っ、あー…お前っていつでも唐突すぎて、心臓に悪い」
ハァ…と、深いため息をついて、肩を落とす。
こんな余裕のない真生くん…はじめて見た。
「今日、オレは、お前を探すためにほとんど1日走り回って、小夜子ちゃんにも、電話して居場所の手がかり探ったり…」
「え、小夜子に…?」
「旭にも協力してもらったし…」
「えっ!?」
「…なのに、オレが伝えようとしていたこと先に言っちゃうし…」
若干、呆れたように私を見る真生くんの視線が痛い。
え、何で?私が悪いみたいな雰囲気に…?