好きだなんて言わなければよかった【完】
──…それは、彼の思いがけない一言から始まった。
「…24日どっか出かけるか?」
「…え!いいの!?」
私は読んでいた雑誌をパタンと閉じ、ソファーに座っている真生くんの方へと近づく。
そういえば、私、真生くんとまだちゃんとした“デート”ってしたことなかったっけ…。
真生くんがバイトだったり、私の高校が期末テストだったりと、なかなかお互いに時間があわなくて、すれ違いの日々が続いていた。
実は、今日会うのさえも久々だったりする。
「うん!行きたい!」
そう言って、満面の笑みを浮かべると、なぜか、真生くんは顔を伏せてしまった。