好きだなんて言わなければよかった【完】



──…それは、彼の思いがけない一言から始まった。




「…24日どっか出かけるか?」



「…え!いいの!?」



私は読んでいた雑誌をパタンと閉じ、ソファーに座っている真生くんの方へと近づく。




そういえば、私、真生くんとまだちゃんとした“デート”ってしたことなかったっけ…。




真生くんがバイトだったり、私の高校が期末テストだったりと、なかなかお互いに時間があわなくて、すれ違いの日々が続いていた。




実は、今日会うのさえも久々だったりする。




「うん!行きたい!」




そう言って、満面の笑みを浮かべると、なぜか、真生くんは顔を伏せてしまった。














< 339 / 404 >

この作品をシェア

pagetop