好きだなんて言わなければよかった【完】
───…
「うーん…はい。次はこれ着てみて??」
「えっ…まだ着るの?」
私は、小夜子が持ってきた服を見て少しげんなりする。
放課後、小夜子の宣言通り服を買いに来た私たち。
実は、かれこれ一時間以上も私は彼女の着せかえ人形状態。
小夜子の長い買い物になれている私もさすがに疲れてきていた。
そんな私の状態を知ってか知らずか、
「あったり前!!試着はお金かからないんだから。しとかなきゃ損よ!」
そんなことを言ってのける小夜子は、まだまだ元気な様子。
「ねぇ、さすがに長いしすぎじゃない?ほら、他のお客さんもいるし…」
「あー、それなら大丈夫!友達の初デートの服決めたいんでって店員さんに頼んだら快くOKしてくれたから!それに、今、あんましお客さんいないみたいだから大丈夫って言われたし」
「…そうなの」