好きだなんて言わなければよかった【完】
こういうことに関してはあまりにも、用意周到な彼女に私は心の中で苦笑いを浮かべる。
「ほらほら。はやくしないと、服決まらないわよー!!」
「…うん」
はいっと、にこやかに手渡された数着の服を手に持って私は、試着室に向かって足を進めた。
数分後、
「小夜子、着たよ?」
先ほどの服を着た私はシャッと、試着室のカーテンをあける。
「おぉ。いいじゃん!!」
小夜子が選んでくれたのは、白いニットのセーターに、可愛い真紅のスカート。
「紗綾、コートはたしか可愛いの持ってたよね?」
「うん。去年買ったやつがある」
「そっか!ならいいね。ブーツは、私がそういう服に似合いそうなの持ってるから貸してあげる」