好きだなんて言わなければよかった【完】
───…
「ねぇ…小夜子、何か良いことでもあった?いつになく機嫌いいよね…?」
全ての買い物が終了し、近くにあるカフェに寄った私たち。
未だに機嫌よく、笑顔を絶やさない彼女にとうとう私はそんな質問を投げかけた。
すると、
「あ、やっぱりわかっちゃった??ふふ、ちゃんと紗綾には報告しようと思ってたんだけどさぁ~、実は、彼氏できたの」
「…彼氏?」
「そうなのぉーこの前、ナンパされたんだけど、顔が好みだったからOKしちゃった。東高の人で、淳くんって言うの」
語尾にハートマークを飛ばして、女の子モード全開な小夜子を私はポカンとした表情で見つめる。
「今度、紗綾にも紹介するね」
「う、うん」
…ナンパされたって言ってだけど、ちゃんとした人なのかな?