好きだなんて言わなければよかった【完】
正直、不安が胸をよぎる。
小夜子、結構惚れっぽい所あるし…。
確か、前に付き合っていた人からは二股かけられてたらしいし…その人ともナンパされて付き合ったって言ってた。
「…あのね!だから、今度、紗綾と真生さんと私と淳くんとでダブルデートしようよ!真生さんにも聞いといてね」
「…そうだね」
でも、嬉しそうに頬を染める小夜子を見ていると、言葉に詰まって、そんな曖昧な返事しかできなかった。
…もしかしたら、淳くんって人本当に良い人かもしれないし、あんまり悪く言うのよくないよね。
私はそう思い直して、小夜子の方に顔を向ける。
すると、
「…そういえばさ、真生さんへのクリスマスプレゼントってなんか買った?」
「う、うん。この前買ったけど…」
唐突にそんな質問をされ、少しだけ口ごもってしまった。