好きだなんて言わなければよかった【完】
―――…
なんか、今日は、いろいろ思い出す日だな。
私は、そう思いながら、深いため息をこぼした。
すると、その時、
「紗綾!!もう、また呼び出し?」
「…小夜子?」
「行くなら行くでなんか、メモでも置いといてよ!学校中探し回ったんだから〜!」
そう言って、プンプンと、可愛らしい顔を膨らませて怒っているのは、高校になってできた友達小手川小夜子。
背は、かなり小さめだが、その愛らしい顔は、ウサギのようで一部の男子から絶大な指示を得ているらしい。
「私が小さいのは、名字にも名前にも“小”が入ってるから!」
そう言って、大きな目をくりくりさせて怒る小夜子は確かに女の私から見ても素直に可愛いと思う。