好きだなんて言わなければよかった【完】
真希のマシンガントークについていけず、状況がイマイチ読めてないのか曖昧に返事をする真生くんが可愛くて、つい笑いそうになってしまった私。
「紗綾も!すごくいい人そうで私も安心した。じゃあ、彼氏待たせてるからそろそろ行くね!!今度、lineするから」
「うん!わかった!真希、またね」
軽く手を振り、笑顔で彼女を見送る。
その横で、真生くんは、未だ、不思議そうに遠ざかっていく真希の後ろ姿を見ていた。
────…
「……さっきの子、紗綾の友達?」
真希の姿が見えなくなった頃、真生くんは、徐に口を開いた。
「うん。中学の時の。卒業以来会ってなかったからたまたま会ってテンション上がってたみたい。今日は、彼氏とデートなんだって」
「へー。おもしろそうな子だね。ちょっと、小夜子ちゃんぽかったけど…」
そう呟くと、なぜか真生くんは、少しだけ苦笑いを浮かべる。
「…!!真生くんもそう思った?私も真希と小夜子って結構、似てると思うんだよねー」