好きだなんて言わなければよかった【完】



しばらく、その話題で盛り上がった私たち。


その後、真生くんの提案でイルミネーションが見れる時間になるまでの間近くのカフェで軽く食事をすることになった。



「この店、美味しいって聞いたからいつか紗綾と来ようと思ってたんだ」




そう言って、微笑む真生くんに私の胸が高鳴る。




…その笑顔は、反則でしょ…。



最近、ようやく昔のように、私に無防備な笑顔を見せてくれるようになった真生くん。



それは、すごく嬉しいんだけど…ある意味、心臓に悪い。



…それに、以前にも増して、周りの女の人からの視線を集めているような…。



「……」



店内に入った瞬間からチラチラと、こちらを伺うような視線を感じ、ほんの少しだけ、私は居心地の悪さを感じていた。



「…紗綾どうかした?」



「ううん!なんでもない。真生くん何頼む??私、このピラフにしようかな」



「あ、おいしそうじゃん?オレにもちょっとちょうだい。オレ、こっちのエビグラタンにする。紗綾も食うだろ?グラタン」



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