好きだなんて言わなければよかった【完】
*再会
―――…
「つ、つかれた…」
私は、そう呟いて、近くにあったベンチに腰を下ろす。
だって、かれこれ、2時間は、歩きっぱなし。
さすがに、体力の限界だ。
「えー、紗綾もう、つかれたの?本番は、まだまだこれからなのにぃ〜」
そう言う小夜子は、どうやら、全然平気みたいで…いったい、小さい体のどこにそんなパワーがあるのだろうか。
「ちょっと休憩しようよ、だいぶ、お店まわったじゃん?」
「あんなの序の口だってぇ、…でも、まぁいいか。たしかに結構歩いたし、てか、なんか飲むでしょ?紗綾疲れてるみたいだから私が買ってくるよ。何がいい?」
「…オレンジ」
「了解、じゃ、ちょっと待ってて」
小夜子は、それだけ言い残し、自販機の方に走っていってしまった。