好きだなんて言わなければよかった【完】
その時、
「あれ?キミ、めっちゃ可愛いねー、高校生?」
知らない男の声が頭上から聞こえ、思わず、私は、顔をあげる。
「うわ、オレ、キミみたいな子、ちょータイプ。」
そう言って、ニコニコと、私を見つめる知らない男の人。
茶髪の髪に、耳には大量のピアス。いかにも、チャラい感じ。
……でも、顔は、かなり整っているようで、さっきから周りの女の人の視線を集めていた。
「名前、なんていうの?オレ、麻木慎也よろしくね」
人懐っこい笑みで私にそう話しかける慎也という男。
けど、
「…すみませんが…知らない人に私は名前教えるつもりないんで」
そんな彼に私は一言、素っ気なく答えた。