好きだなんて言わなければよかった【完】
―――…
「えーっと、つまり、最初にナンパしてきた知らない男が実は、真生くんの友達で、真生くんは、紗綾とナンパ男が友達だと思ってる、と、こういうわけね?」
「うん、まー、だいたいそんな感じ」
「…にしても、まぁ、よくここまで話をこじらせたわねぇ…、一番可哀想なのは、ナンパの…えっと、慎也くんだよ!!」
「…うん、わかってる」
小夜子に指摘され、私は少なからず、罪悪感を感じていた。
確かに慎也くんは、今日はじめてあったばかりなのに、面倒なことに巻き込んでしまったし…。
まぁ、あっちがナンパしてこなければこんなことにはならなかったとも言えるが…。
でも、いちばん悪いのは、私なんだ。
私が弱いから、みんなを傷つけてしまう。