好きだなんて言わなければよかった【完】
5年前とちっとも変わらない。
あの優しい笑顔も、私に対する接し方も。
…きっと、もう、嫌われてるんだろうって心のどこかで思っていた。
だって、あの後、真生くんが私を訪ねてきた時だって、会おうとしなかったし、真生くんに何も言わずに、家を出て寮に入ったし…。
真生くんだって、私が避けてるって気づいていたと思う。
「……真生くん、ゴメン、私、これから…また、昔みたいに戻れるかな?」
私が帰ってきてると知った真生くんのことだから、近いうちに一回、家に帰ってくるだろうし。
そしたら、ずっと、このまま避けるようなかたちをとれるはずなんかない。