好きだなんて言わなければよかった【完】


―――…



「お邪魔しまーす」



「あら〜、紗綾ちゃん、旭くん、はやかったわね!さぁ、入って入って」




学校から帰ると、私はすぐさま旭の手を引っ張り、お向かいの真生くんの家に行く。




真生くんのお母さん、美生(みお)さんは、すっごく優しくて、美人。




いつも、私と旭をあたたかく迎え入れてくれた。




「今日はね、ビーフシチューだよ〜、もう少ししたらできるから、それまで真生と遊んどいてね」




「はーい」




美生さんのその言葉に私は、真生くんの部屋に向かう。




だって、それが楽しみではやく来たんだもん。



「お姉ちゃん待って〜」



まだ、小学1年生の旭をおいて、二階にある真生くんの部屋を開ける私。





今、考えれば、少し恥ずかしい。


もう少し女の子らしくできなかったのだろうか。




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