好きだなんて言わなければよかった【完】
あんなに小さくて、私と真生くんの後をついて回っていた旭も来年には、高校生か…。
真生くんと旭と私、3人で遊んでいた日々もなんだか、つい昨日のことのように思い出された。
…みんな、時間と共に成長してるんだよね…
私は、そう思いながら、うーんと、1つ大きな伸びをすると、
「…さて、私もそろそろ、学校行く準備しますか」
小さくポツリと、呟いて、旭の後を追うようにリビングを出る。
そう、今日も、私はいつもと変わらない日常を送るはずだった。
――…けど、
まだ、私は、全然、気づいていなかったんだ。
この日、私の運命を大きく変える出来事が起こることを…。
―そう…この時の私はまだ何も知らなかったんだ。