好きだなんて言わなければよかった【完】
「…紗綾、もう無理してない?」
「…え?」
不意にかけられた小夜子からのそんな言葉に私は、目を見開く。
そして、その瞬間、
…そっか、新しいカフェに行こうと、誘ってくれてたのも小夜子なりに気をつかってくれたんだね…。
…そう悟った。
だから、
「もう大丈夫、小夜子ありがとう、私、逃げないって決めたから」
私は、未だに心配そうな表情を浮かべる小夜子に向かって、そう言い放つと、ニコリと、笑みを浮かべた。