好きだなんて言わなければよかった【完】
「…そっか」
私のその言葉に少し安堵したように小夜子は、微笑んだ…、かと思うと、
「でも、紗綾は、すぐ自分の中で溜め込んじゃうから、言いたいことがあったら、ちゃんと言わなきゃダメだからね!!」
次の瞬間には、彼女には似合わないような、ビシッとした口調でそう言い放つ。
「…わ、わかった」
思わず、そんな言葉が私の口からこぼれた。
なんだか、小夜子から有無を言わせない何かを感じとり、ゴクリと息を飲む私。
な、なんか今日の小夜子怖いんですけど…。
「よし、それならいい!じゃあ、委員会頑張って〜、ちゃんと、今度は駅前のカフェ付き合ってもらうからねぇー!!」
“また、明日”
小夜子は、それだけ言い残し、可愛らしい笑みを浮かべながら、教室を後にしたのだった。