好きだなんて言わなければよかった【完】



こんな時間にこんな所で待ち伏せしてるなんてもしかして、不審者なんじゃ…。




一瞬、そんな考えが脳裏をよぎったが、




「…あ、紗綾ちゃん!!よかった、帰ってたらどうしようかと思った」




…どうやらそんな心配は、無用だったらしい。




まるで、飼い主を見つけた犬のように喜ぶ彼に私は、内心、ため息をついた。





…昨日、会ったばかりなのに、何でそんなにフレンドリーに他人と接することができるんだろうか、この人は。





「…えっと、確か真生くんの」




「慎也です、麻木慎也」




あぁ、そうだった




私は、納得したようにコクリと頷く。




「で、麻木さん、私に何か用ですか?」




< 66 / 404 >

この作品をシェア

pagetop