好きだなんて言わなければよかった【完】
しかし、
まだ友達になったばかりの私には、あまり突っ込んだ話もできなくて…。
そうこうしているうちに、
「あ、家ここなんです」
私の家の前についてしまった。
「送ってくれてありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ、急に来ちゃってゴメンね」
「そんな、遠回りさせてしまったみたいですし、ありがとうございます」
私は、そう言って、慎也さんに向かって軽く頭を下げた。
その時、
「あれ?紗綾ちゃん?おかえりー……って、慎也くん!!」
私の家の向かいから、タイミングよく美生さんが出てきて、
私も慎也さんも、思わず、同時に吹き出してしまう。