好きだなんて言わなければよかった【完】
*関係<真生side>
真生side
―――……
オレは、おもむろに、学校内にある公衆電話に手をかける。
そして、そのまま、番号を押すと、受話器を耳に近づけた。
…プルルル、プルルル
そんな、無機質な機械音が数回鳴った後、
『はーい?』
久々に聞く母親の声が聞こえてきた。
「…あ、母さん?」
『真生!?あんたは、全然、連絡もしないで、心配してたんだからね!携帯にかけてもでやしないんだから!!』
少し怒ったような母さんの声が響いた。
「あぁ、悪かったって。今度は連絡いれるよ、それよりさ、明日は久々に家に帰るから、よろしく、んじゃね」
『ちょ、真生!?』
オレは、それだけ言い残すと、母さんがまだ何か言っているのを無視して、公衆電話から耳をはなすと、
ガチャ
そのまま受話器を戻したのだった。