好きだなんて言わなければよかった【完】
*招待
――その日は突然、おとずれた。
「…おはよ〜」
まだ眠い目をこすりながら、階段をおりる私。
「あら、紗綾!休みだからって寝過ぎでしょ!?旭なんか、もう部活行っちゃったわよ?」
そんなお母さんの言葉に、リビングにある時計を見る。
「…12時か…どうりでお腹すいたと思った、お母さん、なんか、ご飯ない?」
私は、うーん、と、軽く伸びをしながらキッチンに立っている母に向かってそう呟く。
「はいはい、朝の残りあるから、椅子に座っときなさい」
お母さんは、そんな私に呆れたような表情を浮かべながら、そう言い放った。