好きだなんて言わなければよかった【完】
「はーい」
お母さんの言葉に私は、素直に従い、ダイニングにある椅子に腰かけた。
…旭は、部活だし、確か…小夜子も今日は、用事あるって言ってたよね…?おとなしく、課題でもしとこうかな…。
そんなことを考えながら、ブラブラ、足を揺らしていると、
「…あ、そういえば、今日、真生くんが家に帰ってくるんですって!美生ちゃんから、昨日、連絡があったんだけどねー、よかったら、夜、一緒にご飯食べましょうって誘われたんだけど…もちろん、紗綾は行くわよね!」
「…え」
お母さんの衝撃発言に私は、ピタリと固まった。
…真生くんが、今日、帰って…くる?
「美生ちゃん、真生くんのこと、すっごく心配してたからねー、嬉しいでしょうね」
そう言うと、お母さんは、嬉しそうに、にっこりと、微笑んだ。
「そ、うだね」