好きだなんて言わなければよかった【完】
私は、ポツリと呟くと、軽く笑みを浮かべる。
…真生くん、この前会ったとき、帰ってくるとは言ってたけど…まさか、こんなにはやく帰ってくるなんて思わなかったな…。
「そういえば、紗綾も久しぶりじゃない?お母さんも、もう1年以上会ってないものねー」
「…うん」
「楽しみね!」
「うん…そうだね」
“楽しみねー”と、
お母さんは、もう一度そう言うと、キッチンでごはんの準備を始める。
そんなお母さんの後ろ姿を見ながら、私は、
…どうしよう、いや、でも、真生くんと関わるって決めたんだし…普段通りにすれば、大丈夫よ!うん!
モヤモヤしながら、そんなことを考えていた。