好きだなんて言わなければよかった【完】


私は、ポツリと呟くと、軽く笑みを浮かべる。





…真生くん、この前会ったとき、帰ってくるとは言ってたけど…まさか、こんなにはやく帰ってくるなんて思わなかったな…。





「そういえば、紗綾も久しぶりじゃない?お母さんも、もう1年以上会ってないものねー」





「…うん」




「楽しみね!」




「うん…そうだね」




“楽しみねー”と、




お母さんは、もう一度そう言うと、キッチンでごはんの準備を始める。




そんなお母さんの後ろ姿を見ながら、私は、




…どうしよう、いや、でも、真生くんと関わるって決めたんだし…普段通りにすれば、大丈夫よ!うん!




モヤモヤしながら、そんなことを考えていた。



< 91 / 404 >

この作品をシェア

pagetop