好きだなんて言わなければよかった【完】
「あら〜、真生くん買い出し??ごめんなさいね、準備全部させちゃって」
「いいのよ、気にしないで!それより、旭くん部活?今日は、来れるの?」
「少し遅れるけど、来るって言ってたわ〜、あの子真生くんに会うの楽しみにしてたのよー」
そう言って、お母さんは、ケラケラと笑う。
「み、美生さん!私もなんか手伝いますよ?」
「あら、紗綾ちゃんいいのよ?気にしなくて。だいたい準備終わってるんだから」
「紗綾、じゃあ、真生くんの買い出し手伝いに行きなさい!荷物たくさんあるだろうし」
「…え」
まさかの、お母さんのそんな発言に、私は、ピタリと固まる。
「い、いや…でも」
「何言い訳してんの!はやく、行きなさい、真生くんだけに買い出し行かせてるんだから、少しくらい手伝ってきなさいよ?」
そんなお母さんの有無を言わせない様子に私は、思わず、
「…行ってきます」
そう言ってしまったのだった。