好きだなんて言わなければよかった【完】
「ま、真生くん!」
あまりに、急な真生くんの登場に私は、思わず声が裏返ってしまう。
「あ、私ね、お母さんから真生くんの荷物持ち手伝うように言われたの!は、半分持つよ!!」
そして、そのまま早口でそう言いのけると、真生くんが手に持っていた片方のビニール袋を掴んだ。
「…あぁ、ありがとう」
「うん!!やっぱり、1人より2人のほうが楽だよね〜、あはは」
…私、何の話してんだろ…
なんだか、自分でも何を言ってるのかわからないくらいテンパっている。
けど、
「重くないか?母さんから、結構買ってくるように言われたから、いっぱい買ったんだよな」
「ううん、全然、大丈夫だよ」
そんな私に対しても、真生くんは、やっぱり優しかった。