好きだなんて言わなければよかった【完】
「おーい!紗綾ちゃーん!」
未だに、大声で聞こえてくる慎也さんの声。
私は、少しだけ真生くんから距離をとり、スマホに耳を近づけた。
「慎也さん!声でかすぎ!もっと、声のボリューム下げて!」
「え?あ、ゴメンね、つい」
あはは、と、軽い返事で返してくる慎也さんは、全く悪いと思ってなさそうだ。
私は、ハァーッと軽くため息を溢すと、
「で、何か用事ですか?そもそも、私、慎也さんに番号教えましたっけ?」
そう言葉を紡ぐ。
すると、
「えー?この前、番号交換したじゃん??メアドと一緒に!」
「あー、そうでしたっけ??」
「そんな!?オレって、紗綾ちゃんの中でその程度の存在??この前仲良くなったのは幻!?」