エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
「美穂さん。今、どこ?」

ヒロトの声が弾んでいる。

「香港なの」

こんなときに会えないのが残念だった。

すっかり沈んでしまった気分を、ヒロトとのラグジュアリーデートで晴らしたかったのに……。

「今はホテル?」

「そうなの。成田に戻るのは明日の夜になるの」

「ホテルの玄関からちょっと外に出てみてもらえる?」

「え? なに?」

「いいから早く」

いつになく悪戯っぽい声。

あたしは言われるがままにホテルの外へ出た。

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