エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
免税店で鬼のように買い物をした。

それまでのストレスが全部消えてなくなった。

ただ気になったのは、時々ヒロトにかかる電話。

「うん。今、美穂さんと一緒だよ」

とか

「今、買い物、終わったとこ」

とか

「これから食事。やっぱ、フレンチがいいかなぁ?」

とか、あたしとの行動を逐一報告している。

「ヒロト。誰から?」

四度目の電話のあと、さりげなく聞いてみた。

「ああ。母だよ」

―――な、何ゆえ藤山チーフに報告を……。

「今日は大事な日だからね」

ヒロトが意味ありげに微笑む。

せっかくのパラダイスムードに暗雲がたちこめ始めた。

「さ、乗って、美穂さん」

それでもペニンシュラホテルのリムジンに乗り込んだ途端、車内のゴージャスなムードに、あたしの目は眩んでしまうのだった。



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