エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
ホテルの中にある夜景の見えるレストランでフルコースを食べた。

―――やっぱこうでなくっちゃ。

シャンパングラスの中心から立ち昇る金色の泡を見つめながら、そう思った。

けど、どうしても藤山チーフのことが気になる。

「部屋、とってあるんだ」

今夜のヒロトはいつになく積極的。

彼と付き合い始めて半年……。

とても御行儀の良かったヒロト。

「いい?」

キアヌーリーブス似の目が聞いてくる。

「え、ええ……」

なぜか浮かんでくる尚道の顔を、しっし、と頭から追い払った。
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