エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
私は衝動的に立ち上がり、靴をはいて庭に飛び出していた。

「待てよ。どこ行くんだよ、こんな時間に」

タケルが追い掛けてきて、私の肩を掴んだ。

どこに行くのかは考えてなかった。

けど、こんな時間に私を受け入れてくれそうな人は一人しかいない。

「ノ、ノゾミさんのトコ」

「歩いて?」

意地悪な目をしたタケルが聞いてくる。

「………」

言われてみれば、財布もケータイも持ってない。

タケルが溜め息をついた。

「ちょっと待ってろ」

そう言って、タケルは家の中に引き返した。


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