エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
ヒロトのセックスは決してうまくはなかった。

けど、一生懸命こっちを満足させようとする姿勢は評価できる。

ま、七十点ってところか。

そういうのは調教次第だし。

ヒロトの寝顔を見ながら採点した。

―――でも、この人、あたしのどこが好きなのかなぁ……。

ふと、考えた。

あたしは尚道以外の男に、わがままな本性を見せたことがない。

結婚まで考えた尚道が、実は自由になる現金を持っていないことを知るまでは、彼にもいい顔しか見せなかった。

が、尚道には画廊しかないと知った途端、ぶち切れて、本当の自分を晒してしまった。

他の男の前ではいつも、猫を百匹ぐらいかぶっている。

特にヒロトに対しては……。

―――やっぱ顔と体かな。もしくは下心満載の優しいあたしか……。

ま、いいや。

この先、贅沢できるんだったら、猫でも犬でもかぶってやるわ。
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