エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
「せ、先生……。一体……」

部屋の玄関を開けてくれたノゾミさんの顔が唖然としていた。

「ごめんね。ちょっと……タケルと喧嘩って言うか……」

喧嘩にもなっていなかったような気がする。

これってほとんど……。

『一人相撲』という単語が頭をかすめたが、あまりにも自分のキャラに合い過ぎていて、今は使いたくなかった。

「と、とにかくあがってください」

ノゾミさんが私を招きいれようとしてくれたとき、
「ノゾミさん? 誰? お客さん?」
という男の人の声がした。

スニーカーを脱ぎかけていた足が、ギクッと止まった。
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