エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
17.ドギーバッグ @美穂
朝日に照らされた香港の町は、夜の輝きを失い、どこか白けて見えた。
まるで、今のあたしの心みたいに……。
バロック音楽の流れるスイートルーム。
給仕付きの豪華な朝食を銀のフォークでつついていると言うのに、何だか楽しくない。
気持ちがどんどん冷めていく。
上目遣いに盗み見たヒロトは、美しい姿勢で上品にフォークとナイフを操っている。
完璧なテーブルマナー。
ボーイとやりとりするときの、流暢なキングスイングリッシュ。
いつもならウットリするはずなのに、今朝聞いてしまった
『ママぁ』
という鼻にかかった声ばかり思い出してる。
まるで、今のあたしの心みたいに……。
バロック音楽の流れるスイートルーム。
給仕付きの豪華な朝食を銀のフォークでつついていると言うのに、何だか楽しくない。
気持ちがどんどん冷めていく。
上目遣いに盗み見たヒロトは、美しい姿勢で上品にフォークとナイフを操っている。
完璧なテーブルマナー。
ボーイとやりとりするときの、流暢なキングスイングリッシュ。
いつもならウットリするはずなのに、今朝聞いてしまった
『ママぁ』
という鼻にかかった声ばかり思い出してる。