エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
けど。

百匹以上かぶってる猫を一度に脱ぎ捨てるのはなかなか難しいものだ。

藤山に言いつけられたら……。

あたしは悶々としながら、コンチネンタルブレックファストをつついていた。


ヒロトはあたしのドス黒く淀みはじめている気持ちを知る由もなく、爽やかに微笑みながら
「美穂さん。結婚式のことなんだけど」
と、切り出した。

来た……。

真面目なヒロトのことだから、一夜を共にした途端、そういう展開になるとは思ってた。


< 154 / 280 >

この作品をシェア

pagetop