エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
おずおずと乗り込んだ。

バタン、と助手席のドアを閉めた悠斗が、サングラスを外しながら、タケルの車に近寄っていく。

「じゃ、タケルさん。理沙さん、お借りします。借りたまま返さないかも知れませんけど」

お互い、不敵な笑顔を浮かべている。

悠斗が正々堂々と(?)タケルの嫁を奪ったら、きっとそれは歌舞伎町の伝説になるんだろう。

けど……。

ふと、サイドミラーに映る自分を見る。

―――悠斗さん。分かってんのかな。

奪おうとしてるのが私だってこと。

タケルの嫁が私じゃなくて美穂だったら、かなりドラマチックで絵になるんだろうだけど……。

思わず溜め息。



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