エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
「理沙さん、緊張モードだなぁ」

悠斗が笑った。

「す、すみません。よく考えてみたら、私、男の人とデートするのって初めてで……」

「タケルさんとは?」

タケルともデートらしいデートをする前に妊娠し、結婚してしまった。

入籍してからの数ヶ月、タケルは仕事ばかり。

デートどころか相手の考えてることさえ、まだよくわからない。

悠斗は私の表情から事情を察したみたいに、ちょっと目を伏せた。

が、すぐに気分を切り替えるみたいに
「ちょっと、ほぐしに行きましょうか」
と明るく言った。

「ほぐす?」

ショッピングに連れて行ってもらうだけのつもりだった私は、ぼんやりと首をかしげていた。
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