エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
「あなたとヒロトのこと、待ちきれなくなって、香港まで飛んで来たの。大体のことはヒロトから聞いたけど」

そう言って笑う藤山の顔は、かつてないほど優しい。

「あの子がついにお嫁さん、もらうなんて……」

と、声を詰まらせた藤山が、ハンカチで目頭を押さえる。

―――げげげっ。

周りにいるCAたちが、唖然としている。

鉄のチーフパーサー、藤山が泣いているのだ。

「チ、チーフ。みっともな……いえ、みんなが見てます」

「そ、そうね。私ったら嬉しくてつい……」

もう結婚するものと決めつけてる。


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