エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
「ナンバーワンになっても心は満たされなかった……。ずっと可奈子を裏切ったことが引っ掛かってて……」

悠斗がすっと、私の隣りの席に移ってきた。

「理沙さん。俺にチャンスをください」

「チャンス?」

「可奈子の代わりに俺の側に居てください。そうすれば、あの時の後悔を埋めることが出来るような気がするんです」

「じょ、冗談……。わ、私のお腹にはタケルの……」

「ぜんぶ承知の上で言ってます」

「承知って……」

じっと見つめられた。

「可奈子も妊娠してたんです」

「嘘……」

「付き合い始めて間もない頃でした。けど、打ち明けられた時、俺は返事が出来なかった」

「そんな……」

その時の可奈子さんの気持ちを考えると、胸が押し潰されそうだった。

「それっきり、可奈子はその話をしなかった。一人で堕胎したのか、作り話だったのか……」

悠斗の懺悔に心を揺さぶられ、その綺麗な瞳に魂をもっていかれそうになる……。

―――可奈子さんにそっくりな私なら、この人を癒してあげられるんだ。
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