エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
23.ミジンコとダイヤモンド @美穂
NAS506便は定刻通り、成田へ到着した。
大したトラブルもなかったのに、精神的に疲れた。
早く帰って半身浴したい……。
おや?
税関を抜けたところに不吉な人影…。
―――うわっ……。
藤山が待っている。
が、藤山は私にではなく、可奈子に声を掛けた。
「沢井さん。あとで一緒にお食事しましょう。OJTの感想、聞かせてちょうだい」
派閥のトップ、専務に報告するためなのだろうか。
あたしは藤山との係わり合いを避けるために、早足にそこから退散しようとした。
それなのに、いきなり可奈子が呼び止める。
「あ。関谷先輩! 帰っちゃうんですか? 私、色々と相談したいことがあったんですけど……」
―――よ、余計なことを……。
「そうね。良かったら美穂さんも一緒にお寿司でもどう?」
―――み、美穂さん?
笑顔の藤山は既に姑モード。
―――銀座の寿司屋は魅力的だけど……。
「す、すみません。私、このあと用事があって」
引きつりながら、そう答えた。
大したトラブルもなかったのに、精神的に疲れた。
早く帰って半身浴したい……。
おや?
税関を抜けたところに不吉な人影…。
―――うわっ……。
藤山が待っている。
が、藤山は私にではなく、可奈子に声を掛けた。
「沢井さん。あとで一緒にお食事しましょう。OJTの感想、聞かせてちょうだい」
派閥のトップ、専務に報告するためなのだろうか。
あたしは藤山との係わり合いを避けるために、早足にそこから退散しようとした。
それなのに、いきなり可奈子が呼び止める。
「あ。関谷先輩! 帰っちゃうんですか? 私、色々と相談したいことがあったんですけど……」
―――よ、余計なことを……。
「そうね。良かったら美穂さんも一緒にお寿司でもどう?」
―――み、美穂さん?
笑顔の藤山は既に姑モード。
―――銀座の寿司屋は魅力的だけど……。
「す、すみません。私、このあと用事があって」
引きつりながら、そう答えた。