エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
「こちらが安藤道行の一番最近の作品です。彼が最も愛した南イタリーの風景を思い浮かべながら描いた渾身の一枚です」

まるで昔からこの仕事をやっているかのように、自然な態度で絵画の説明をする萩野。

その周囲に女たちが群がっている。

彼に見とれている女が半分、熱心に絵を見ている女が半分。

画廊の売上は好調だが、今の仕事を辞めて尚、贅沢できるほどの収入にはならない。

何せ、この男に支払う金額が半端じゃない。

けど、下手に成功報酬を減らし、萩野のモチベーションを下げるわけにもいかない。

痛し痒しだ。

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