エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
ヒロトかな……。

ビクビクしながらケータイを開いた。

「なんだ、可奈子か」

見なかったことにしようと思ったとき、また可奈子から着信が入った。

「しつこいな」

あたしは仕方なく、通話ボタンを押した。

「なに?」

わけもなく不機嫌な声になる。

『先輩、今、どこですかぁ?』

あたしをイラつかせる後輩の甘え声。

「銀座だけど」

『銀座のどこですか?』

「カフェギャラリー安藤って画廊だけど。何なの?」

本当に苛々する。

「すぐ行きます」

「は? ちょっと……」

用件を聞く前に通話が切られた。
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