エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
何なのよ、いったい。

ムカムカしながらメンソールを一本くわえた。

「美穂さん……」

ソファに座ってどこかぼんやりした目つきのまま、こっちを見ている尚道にも苛々する。

「早く服着なさいよ、後輩が来るって言ってるんだから」

あたしは自分は裸でタバコを吸いながら、尚道にきつく命じていた。

「は、はい……」

顔を赤らめながら尚道がパンツをはいている。

なんで、こんなことになっちゃったのか……。

この男と結婚したら、画伯が死んで財産が入るまで極貧生活を強いられるっていうのに。

それに、空気のいい鎌倉で一日中、絵を描いているジジイはきっと長寿に違いない。

―――あーあ……。あたし、何やってるんだろ。

何もかもリセットしたくなってきた。






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