エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
オープンまでの一時間で全ての決着をつける決心をし、あたしはスタッフルームを出た。

呼びつけた三人がカフェスペースのソファに座っている。

互いに面識のない男たちが、ここで顔を合わせている事情もわからないまま
「ど、どうも」
なんて挨拶を交わしていた。

何も知らない理沙が三人にコーヒーを出している。

ただ、いつものように奥で新聞を広げていた萩野だけは、不穏な空を察知したみたいな顔で立ち上がり
「難儀な女だな」
と、あたしに批判めいた声を投げてから画廊を出て行った。



< 265 / 280 >

この作品をシェア

pagetop