エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
尚道はただ黙ってあたしの顔を見ていた。

その正直な瞳に戸惑い、わけもなく睫を伏せてしまいそうになる。

あたしはそのまま顔を伏せて自分のお腹の辺りを撫でた。

「つまり、誰もこの子の父親になってくださるつもりはないわけですね」

心の中で『やった!』と叫びながら、被害者を装う。

ヒロトは我慢できなくなったように
「そんなの、ママに言えるわけないじゃないか。もし黙って美穂さんと結婚して、生まれてくる子供の血液型が合わなかったりしたら……」
と、訴えた後、ブルッと身震いした。

大島は床に這いつくばったまま……。

あたしのクリアランス計画は成功まであと一歩のところまで来ていた。

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