エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
「あのねぇ。キミがここにいること自体おかしいのに、ナニまったり寛いじゃってるわけ? 空気読めって」

ノゾミさんがたしなめるように言った。

「ほら。行くよ」

と、急き立てるように言って、立ち上がろうとしないシュン君の手を引っ張る。

「ふぉーい」

しぶしぶ立ち上がったシュン君は、ノゾミさんに腕を引かれ、どこかうれしそうな顔だった。

―――いいなぁ、ノゾミさんは。自分のことをこんなに想ってくれてる人がいて。

たとえ相手がストーカーまがいの未成年だとしても、うらやましい。


溜め息をつきながら、ぼやっと二人を見送った。




< 45 / 280 >

この作品をシェア

pagetop