エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
その時、機体が大きく揺れた。

うずくまっていた可奈子が、グラタン皿をかかえたまま、カーテンの向こうに転がっていった。

「さ、沢井さん!」

あたしは壁につかまりながらギャレーのカーテンを開けた。

だるまのような格好で横転した可奈子は、それでもフォークと皿を握り締めたまま、楕円形の窓の下に座り込んでいる。

「キミ、大丈夫?」

可奈子の前に機長の大島が立っていた。

―――ってか、こんなに揺れてんのに、アンタがここに居て大丈夫なわけ? 

あたしの心配をよそに、大島は可奈子に手を貸し、立ち上がらせている。

「あ、有り難うございます……」

大島を見つめている沢井の顔がデレッとゆるんでいた。

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