エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
右往左往する理沙を想像して高笑いそうになった時、背後から大島が
「じゃ、関谷君。七時頃、ロビーで待ってるから」
と耳打ちしてきた。
あたしは慌てて邪悪な笑みを引っ込めた。
「はぁい」
可愛い声で返事をしたものの、それまでに赤木パーサーのお小言がおわるかどうかは定かではない。
ちょっとブルーになっていると、今度は可奈子が
「せんぷぁい。覚えてくれてますよね? ヤ・ク・ソ・ク」
と、鼻にかかった声で擦り寄ってくる。
「わかってるってば。連れてったげるから、可愛いカッコしてきなさい」
「はーいっ」
おどけて敬礼した可奈子がスキップしていく。
―――ま、いっか。
大島はあたしにとって、ただのスポンサーだ。
いつもステイ先で気前よくおごってくれる。
が、ウチのパイロットの年収は三千万。
投資会社のヤングエグゼクティブであるヒロトには、収入も将来性も及ばない。
―――けど、大島機長には散々おごってもらったし、ここは一つ、専務の娘を紹介して借りを返しておくか。
可奈子に恩を売っておくのも悪くないかも。
「じゃ、関谷君。七時頃、ロビーで待ってるから」
と耳打ちしてきた。
あたしは慌てて邪悪な笑みを引っ込めた。
「はぁい」
可愛い声で返事をしたものの、それまでに赤木パーサーのお小言がおわるかどうかは定かではない。
ちょっとブルーになっていると、今度は可奈子が
「せんぷぁい。覚えてくれてますよね? ヤ・ク・ソ・ク」
と、鼻にかかった声で擦り寄ってくる。
「わかってるってば。連れてったげるから、可愛いカッコしてきなさい」
「はーいっ」
おどけて敬礼した可奈子がスキップしていく。
―――ま、いっか。
大島はあたしにとって、ただのスポンサーだ。
いつもステイ先で気前よくおごってくれる。
が、ウチのパイロットの年収は三千万。
投資会社のヤングエグゼクティブであるヒロトには、収入も将来性も及ばない。
―――けど、大島機長には散々おごってもらったし、ここは一つ、専務の娘を紹介して借りを返しておくか。
可奈子に恩を売っておくのも悪くないかも。