エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
「あ、あたし、大島キャプテンとは何の関係もありません」

「そぉなの? でも、今日も一緒にどこかへ行くんじゃないの? 同じシップの時は、いつも二人でどこかへ行ってるじゃない?」

完全に疑ってる目。

――――いつも監視してたんだ……。

青ざめながら必死で言い訳。

「ほんとに何でもないんです。いつもステイホテルのロビーで会ってロビーで別れてます。なんなら、赤木さんも一緒に……」

言いかけて『しまった!』と冷や汗をかいた。

大島は可奈子とカップリング(おいおい)させるつもりだったのを思い出した。

が、三十九歳、崖っぷちのパーサーは、あたしの失言を聞き逃さなかった。

「え? いいの? 私もお邪魔しちゃって」

仕方ない……。

「はい……。じゃ……。七時ロビー集合ってことで……」

何だか疲れてきた。

他人のためにキューピット役を買ってでようなんて、らしくないことはするもんじゃない。

アンタたち、もうどうとでもなってちょうだい。

あたしは破れかぶれになりながらロビーへ降りた。


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