幼なじみは年の差7歳
良明くんは話を聞いてくれる。
話してもいいんだ。と、嬉しかった。
「……今日ね、冬馬兄ちゃんと麻実ちゃんが一緒に歩いてるの見ちゃったんだ。
凄く楽しそうに歩いてて、なんか悲しくなって。
私、二人の関係全然知らなくて、色々なこと相談して、なんか……馬鹿みたいだなって、感じて」
ほんと、馬鹿みたい。
何も知らなかった自分、気付かなかった自分、
情けない。
「……二人には確認したの?
たまたま一緒になって歩いてただけかもしれないし……」
「麻実ちゃんは“大事な人との約束”だって言ってたんだよ?
なのに冬馬兄ちゃんと一緒に居て……聞かなくたってわかるよ……」
麻実ちゃんの大事な人は、冬馬兄ちゃん。
それ以外には考えられない。
「でも聞いた方がいいよ。
もし本当に付き合ってるとかそうゆう関係だとしても、本人たちに聞くべきだよ。
納得の行くまで聞かなくちゃダメだ」
聞けない。聞きたくない。
もう何も聞きたくない。
「俺が傍に居るから」
「……」
「傍に居るから」
.